フェースの反発係数が高ければ、飛距離アップできます。ただし、SLEルールにより反発係数の上限が定められています。
反発係数とは
反発係数とは、英語で Coefficient of Restitution。略して COR と呼ばれています。反発係数は、2つの物体の衝突前後の相対速度の比率のことです。はねかえり係数とも呼びます。
反発係数が高い方が飛距離アップできます。
反発係数はルールで定められている
反発係数はルールで、0.830までと定められています。0.830を超える場合は、ルール不適合クラブとされます。一般的に市販されているドライバーは殆どがルール適合クラブとなっています。一部、ルール不適合の高反発ドライバーもあります。
反発係数の数値を決定したルールとは、一般的にSLEルールと呼ばれています。ゴルフクラブ の スプリング効果( Spring Like Effect )の 頭文字を取って、SLEルールと呼んでいます。反発係数が一定の値を超えてしまう様なドライバー、及びゴルフクラブは高反発クラブとなりルール不適合となります。2008年1月からドライバーの反発規制ルール規定が設けられることになりました。
一般的に市販されているドライバーの反発係数に関して
一般的に市販されているドライバーの反発係数はSLEルール違反にならない程度の反発係数となっています。これは、生産工程上で反発係数の誤差が発生したとしても、製品として販売ができるようにしているためです。ルール規定としては、反発係数が0.830を超えてしまう場合は、ルール不適合なクラブとなってしまうからです。
大量生産をするなかで反発係数の誤差が発生して、生産をしたクラブのなかにSLEルールで指定されている反発係数が0.830を超えてしまうようなクラブを作り出すことを予防しているということです。つまり、一般的に市販されているドライバーの反発係数は、0.830よりも低いということになります。併せてメーカー側は反発係数(COR値)を公表していない場合が多いです。
また、反発係数を高めた場合はフェース面の劣化、破損が著しくなる可能性があります。反発係数を高めるためにはフェース面を肉薄にしますから、フェースが割れてしまったりということがあります。そういった破損を避けるためにも反発係数を高める事が難しいということが、お判り頂けるでしょう。技術的には可能だが、製品として販売していくうえでの品質保証的な問題が絡んでくるのであろうということが推測できます。
反発係数は飛距離に直結する
反発係数がSLEルールで定められるということは、飛距離に直結する要素であるからです。主にはボール初速に関係をしてきます。反発が高ければ、ボールを強い反発で飛ばすことが出来るからであり、それは飛距離アップにつながります。
フェイス面の反発係数を0.830以上にしてしまうとルール違反となりますので、ドライバーのソールにスリットを入れたり、ヘッドがたわむような効果を導入したりするというのは、少しでも反発を強くするためのメーカーとしての飛ばすための工夫であると言えます。その様な工夫などが新しいテクノロジーと合わさって、最新モデルが開発されているのだろうということも想像できます。
反発係数が高くなるとどれくらい飛ぶのか?
一般的に反発係数が0.001高くなると、約1ヤードほど飛距離が伸びるとされています。反発係数が0.810のドライバーで飛距離が200ヤードだった場合。0.818に反発係数を高くすると、約8ヤードほど飛距離が伸びるという計算になります。反発を高めれば、高めるほど飛ぶということになります。そういったことからも、SLEルールで規定を設けたということになります。
※上述した反発係数からの飛距離はあくまでも机上の計算であり理論値です。風の影響、空気抵抗などは全く考えていない計算となります。反発係数が0.001高くなると絶対に1ヤード飛距離が伸びるというわけではありません。
反発係数 0.80 から 0.81 に高めると、約10ヤード飛距離が伸びるということになります。ですから、最近の新しいモデルのドライバーは、できるかぎり反発を高める努力をしています。ルール適合範囲内で高反発にすることで、反発力だけで飛距離アップが望めるからです。
地クラブの高反発モデル
地クラブには、SLEルール不適合の高反発モデルもあります。もともと、地クラブは反発の高いドライバーが多いのですが、さらに高反発にして飛距離性能を高めたモデルがあります。和宏エンタープライズ ミステリーの高反発モデルは、反発係数0.85超えとなっており、20ヤードくらい飛距離アップできます。