これを読めば、とりあえず 2020年(令和2年)の飛ばせるドライバーの構造を知ることができます。ゴルフクラブの進化を牽引してると言っても過言ではない、テーラーメイドとキャロウェイのニューモデルを引き合いに出させて頂き、比較しながら最新モデルの飛ばせる構造を紹介します。
空気抵抗を減らす
2020年(令和2年)の最新モデルのドライバーは、空力を考慮したヘッドシェイプを取り入れてます。
キャロウェイの空力
もともとキャロウェイは、昔から空力を考慮したヘッドシェイプを取り入れてました。たとえば、2016年に発売された XR16ドライバーは、ボーイング社との開発により空気抵抗を減らせるヘッドシェイプを作りました。
キャロウェイ 2020年(令和2年)最新モデル
キャロウェイの2020年(令和2年) 最新モデルのドライバーは、MAVRIK(マーベリック)となります。こちらのドライバーは、従来のドライバーと比べて、ヘッドが特殊な形状をしており、サイクロン形状となってます。
ヘッド後方がヒップアップした形です。これにより、ダウンスイングからインパクトにかけて空気抵抗を減らして、ヘッドを走らせることができるとしています。
MAVRIK(マーベリック)ドライバーを実際に打ちましたが、空気抵抗が減らせてる感じはしました。従来のドライバーと比較して、ダウンスイングからインパクトにかけて今までに感じたことのない感触があり、走ってくれるような感触がありました。
テーラーメイドの空力
テーラーメイドの方は、空力を考慮してなかった訳ではありません。今まで、空力に特化したアピールをしてこなかったというのもありますが、2017年に発売された M2 ドライバー 2017年モデルのヘッドシェイプは空気抵抗が減らせると言われてます。テーラーメイド側が公表した訳ではなく、とあるドラコン選手、M2 ドライバー 2017年モデルを使用していたゴルファーからは、ヘッドスピードが少し速くなると言われており、それは空気抵抗が減らせるからだと言われ始めたことが発端となります。
M2 ドライバー 2017年モデルは、人気がありました。今でも中古市場では人気があります。振りやすく、フェース面が広くて、弾きが良く、適度なフェードで飛ばせるドライバーです。
M2 ドライバー 2017年モデルが発売された後は、コブラ、タイトリストなどのドライバーヘッドがテーラーメイドのヘッドの似た形状になってきたと感じていた時期でした。やっぱり、あの形状はヘッドが走りやすいのでしょう。
テーラーメイドの2020年(令和2年)の最新モデル
テーラーメイドの2020年(令和2年)の最新モデルは、SIMシリーズです。ドライバーは、SIMドライバー、SIM MAX ドライバーの2種類が用意されてます。そして、日本未発売のSIM MAX D ドライバーというドローバイヤスの入ったモデルもあります。
基本的にSIMシリーズは、イナーシャジェネレーターというソールの大型ウェイトを取り付けて、空力を減らしながらヘッドを走らせるという設計となってます。テーラーメイド側は、イナーシャジェネレーターにより空気抵抗を減らせるとしてますが、私が実際にSIM MAX ドライバーを打ってみた感想としては、自然とヘッドが走る感触がありました。スイングで円弧を描いたときに、イナーシャジェネレーターによりヘッドの軌道が決定されて、自然と走ってくれるというイメージです。
空力によるヘッドスピードアップ
空気抵抗を減らしてヘッドスピードが速くなるのかどうか?
私はヘッドスピードが速くなると思ってますし、実際にヘッドスピードが2m/sくらい速くなりましたし、それなりに飛距離アップできてます。もともとヘッドスピードが速い人は、あまり感じにくいかもしれません。
低重心と低スピン
テーラーメイド SIMシリーズ、キャロウェイ MAVRIK(マーベリック) どちらも超低重心となってます。ヘッドクラウン及び各箇所にカーボン素材を使用しており、軽量ヘッドとなってます。そして、余剰重量を活かして、ウェイトを取り付けて、個性的な重心設計を行ってます。
テーラーメイドもキャロウェイも、どちらも低重心となってます。低重心にすると何が良いのか?それは、ゴルフボールに対して下方向からコンタクトしやすくなるので、高弾道が打ちやすくなります。芝生の上から打つ、フェアウェイウッド、アイアンなども低重心にしてボールにコンタクトしやすくなってます。
低重心のメリット
ドライバーの場合、低重心にすることで高弾道が打てるというメリットだけではなく、スイートエリアよりも少し上でインパクトしやすくなり、自然と低スピンなボールが打ちやすくなってます。また、低重心というのはフェース面上の重心位置も低くなっているので、フェース面の下部でインパクトしても飛距離ロスし難く、平均的に飛ばせるというメリットがあります。
低スピン構造とロフト角
低重心化が進んでいくと、かなり低スピンなボールが打てるようになりますが、バックスピン量が少なすぎて、ボールに揚力が与えられなくなってしまいドロップボールとなってしまうというゴルファーが増えつつあります。この場合、ロフト角を大きくすると良いです。一般的には10度、10.5度くらいが良いです。
テーラーメイドSIMシリーズ、キャロウェイMAVRIK(マーベリック)、どちらも低スピンが打ちやすいのですが、打ち損なうとドロップボールになりやすく、高弾道が打ち難くなりますので、注意してください。
スイートエリア上の有効打点が無い
最近は超低重心のドライバーが主流となってきました。昔のようにスイートエリア(芯)の少し上の有効打点の意味が無くなってきました。低重心のドライバーは、もともと重心が低いので、普通にフェースの真ん中(芯)で打っても、有効打点で打ってるのと同じ意味となるからです。
ですから、低重心ドライバーの場合、フェースの真ん中(芯)で打つことをイメージすると良いです。低重心で低スピンが打てますので、フェースの真ん中(芯)で打ってもバックスピン量が増えすぎることがありません。
フェース面の反発力
テーラーメイドもキャロウェイも、それ以外のメーカーもルール許容内でフェース面の反発力を高くしようという設計をしてます。フェース面の反発力が高い方がボールスピードが速くなって、飛ばせるからです。
キャロウェイはAI(人工知能)により、多くのゴルファーの打点データを計算して、打点がズレても強い反発で飛ばせるフェースを開発します。つまり、フェースの芯(スイートエリア)を打点がズレても強い反発力が得られる範囲を広げてます。
フラッシュフェースと名付けられてます。2020年モデルのMAVRIK(マーベリック)が発売されるときにも、打点がズレても飛ぶというキャッチでアピールしてました。
キャロウェイのフラッシュフェースは、2017年に発売された GBB エピック スターから搭載され、非常に反発性能に優れたフェースとなってます。ボール初速も速くなります。
テーラーメイドの方は、以前からフェース面の反発力を高めるためにスピードポケットという、溝をソールに設けたりしてます。これは、フェース面の反発力を高めるというよりは、打点がズレても強い反発力を得るための構造のひとつです。
今までのテーラーメイドは、フェース面の反発力を高める技術というのは、あまりありませんでした。
スピードポケット(ソールの溝)くらいです。
2019年から、スピードインジェクションというルールを超える反発係数で製造して、後から反発係数を落として、ルール許容内にするという手法でルールギリギリの反発力が得られるとしてます。M5ドライバー、M6ドライバーには、スピードインジェクションを取り入れて、反発の高いフェース面となってます。
M5ドライバー |
M6ドライバー |
フェース面の反発力を高めることで得られるメリットとしては、ボール初速です。ボール初速が速くなり、飛距離アップができるというメリットが得られます。反発力が高い方が、ボールを弾き飛ばすことができます。
反発力が高いとミート率が高くなる?
フェース面の反発力が高いとミート率が高くなるのかどうか?
ミート率は高くなります。
フェース面の反発係数が高い方が、ミート率が高くなります。高反発モデルの場合、データを計測をしますと、ミート率1.5を超えるような数値をマークすることもあります。
その理由は高反発だからです。
2020年(令和2年)の飛ぶドライバー 空力がポイント
今年の飛ぶドライバーのポイントは、空力・空気抵抗かもしれません。どれほど、空力を実感できるのか難しいところではありますが、もう既に飛ぶドライバーとしての最新テクノロジーは出尽くしてる感は否めません。
低重心、低スピン、スイートエリア拡大、ルールギリギリの反発係数、そして空力を取り入れました。
あとは、ドライバーヘッドの進化だけを見つめるのではなくて、シャフトとの相性を見極めるのも大切かと考えております。
SIM MAX と MAVRIK(マーベリック)
性能比較です。どちらも良いドライバーです。試打してみて決定されると良いです。
モデル名 | SIM MAX ドライバー |
MAVRIK(マーベリック) |
反発性能 | スピードインジェクション | フラッシュフェース |
ギア効果補正 | ツイストフェース | フラッシュフェース |
空力・空気抵抗 | イナーシャジェネレーター | サイクロン形状 |
重心設計 | 低重心 | 低重心 |
弾道調整機能 | あり | あり |